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幼児の目に関する心配

子どもの視力に特別な支援が必要なのではないか、と最初に気づくのは通常、親です。子どもの視力に気になることがある場合は、かかりつけの小児科医や専門家に何でも相談してみましょう。

治療が必要ない場合もありますが、眼鏡などで簡単に矯正できる場合もあります。いずれの場合も、子どもの視力が安心かどうかを確認するには、何よりもまず定期的な眼科検診です。

子どもによく見られる視力の問題

 よく見られる目の問題としては次のようなものがあります。

  • 近視は遠距離視野に影響します。本は問題なく読めても、公園の奥など、遠くにあるものは目を細めないと見えないなどの場合に、近視が考えられます。

  • 遠視の場合、どの距離でも視野がぼやけます。遠視の子どもは、近くにあるものでも、部屋の向こうにあるものでも、焦点を当てるのに苦労します。

  • 乱視は、角膜や、場合によっては角膜の後ろの水晶体の形がラグビーボールのように歪んでいるために起こる症状です。乱視は、光線が目の一部にのみ集中するので、ものが歪んで見えます。場合によっては、近くのものも遠くのものも同じように歪みます。

上記3つの問題は、矯正用のコンタクトレンズで簡単に矯正できます。

どのようなことに注意すればよいでしょうか?

子どもの目に問題や異常な挙動が見つかった場合、子どもの年齢に関係なく、すぐに眼科医に相談しましょう。ほとんどの子どもの目は順調に発達しますが、幼児期に問題が起こる場合もあります。

気を付けるべきこと、眼科医が使う用語、詳細な情報を入手する方法については、下記の症状を参照してください。

斜視

一方の目が鼻の方に寄っていたり、両目が協調せずにそれぞれ違う動きをしていることがあります。これは斜視と呼ばれます。両目が同時に同じ場所に並ばないときに起こる症状で、片目ずつが別々の方向を向いているように見えます。斜視眼が常時決まっている場合もありますし、斜視眼が 状況によって入れ替わる場合もあります。

斜視や視線の追従に問題を抱えたお子さんの割合は、20人に1人です。目に問題があるお子さんのうち、半分は5歳になるまで診断されません。つまり、もっとも効果的に治療できる時期を過ぎてしまうということです。

眼瞼下垂(がんけんかすい)

お子さんのまぶたが目におおいかぶさり、視野を邪魔しているように見える場合、弱視の可能性があります。弱視は、眼と脳が協働していないために視野が狭められたときに起こる症状です。脳が弱視側の目からの映像を無視し始めている可能性もあります。通常は片方の目にのみ起こり、もう一方の目に比べて視線がぼんやりしているように見えます。それぞれの目が別の方向を向いているように見える場合、斜視に関連していることもしばしばあります。

瞳孔を覆う乳白色の濁り

ごくまれに、片目または両目に小児白内障を発症するお子さんがいます。白内障の場合、乳白色の濁りが瞳孔を覆っており、生まれたときにすぐわかります。小児白内障の場合、濁った水晶体を透明なレンズと交換すれば、視力を取り戻せるケースがほとんどです。

結膜炎

子どもの目が赤く炎症を起こしている場合、一般的に考えられるのは結膜炎です。結膜炎はすぐに治る病気です。 

眼球振とう

子どもの目が跳ねるように動いたり、細かく震えたり、通常とは違う不規則な動きを見せる場合は、年間670人の新生児に1人の割合で発症する眼球振とうにかかっている可能性があります。この病気は、目の駆動システムが正しく発達していないことを示している可能性があります。眼球振とうを持つご親戚がいる場合、またはご自身がこの病気をお持ちの場合、お子さんにも発症している可能性があります。その場合は、眼科検診の際に、眼科医にその旨を伝えることが大切です。