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赤ちゃんの目に関する心配

視覚が正常に発達する可能性が高くても、子どもによっては、後になって目に問題が生じる場合があるかもしれません。

赤ちゃんが成長し、目が発達していく過程で、子どもの視力に特別な支援が必要なのではないか、と最初に気づくのはたいていの場合、親です。気になることがある場合は、かかりつけの小児科医や眼科医に何でも相談してみましょう。

親として気をつけるべき症状はありますか?

どのような目の問題が起こりうるか、何を注意して観察するべきか、そして特別な支援が必要になった場合にどのようなことができるかについては、下記の各症状をご覧ください。

斜視

幼児の両目が違う方向を向いているように見えるのは、特に珍しいことではありません。一方の目が鼻の方に寄っていることもありますし、両目が協調せずにそれぞれ違う動きをしていることもあります。生後3か月未満の赤ちゃんの場合、目はまだ一対の器官として動作することを学んでいる途中です。その場合、斜視は発達段階にあるというサインに過ぎません。生後3か月になっても斜視が続く場合は、本当に斜視かどうか、治療が可能か、あるいは治療の必要があるかについて眼科医に相談してください。

斜視や視線の追従に問題を抱えたお子さんの割合は、20人に1人です。ただし、こうした問題が常に明らかになるわけではありません。目に問題があるお子さんのうち、半分は5歳になるまで診断されません。つまり、もっとも効果的に治療できる時期を過ぎてしまうということです。お子さんに斜視があるかどうかについて心配な点が少しでもあったら、眼科医に相談しましょう。

眼瞼下垂(がんけんかすい)

赤ちゃんのまぶたが下がって視界を遮っているように見える場合、弱視になっている可能性があります。生後3か月を過ぎても斜視が続く場合、弱視のケースも考えられます。一方の視力がもう一方の視力よりも強いために視野がぼやけたり、一方の目が見えなくなったりする症状です。眼科医による対処法としては、視力が強い方の目を数週間から数か月、アイパッチで覆い、弱い方の目の視力を上げる方法などがあります。

瞳孔を覆う乳白色の濁り

ごくまれに、片目または両目に小児白内障を持って生まれるお子さんがいます。白内障の場合、乳白色の濁りが瞳孔を覆っており、生まれたときにすぐわかります。幸いなことに、小児白内障の場合、濁った水晶体を透明なレンズと交換し、赤ちゃんの視力を取り戻すことができます。 

伝染性結膜炎

朝起きた赤ちゃんの目に黄色または緑色の目やにが付いていて、目が赤く炎症を起こしている場合、一般的に考えられるのは結膜炎です。もちろん治療が必要な病気ですが、結膜炎はすぐに治ります。

眼球振とう

赤ちゃんの目が跳ねるように動いたり、細かく震えたり、通常とは違う不規則な動きを見せる場合は、年間670人の新生児に1人の割合で発症する眼球振とうにかかっている可能性があります。この病気は、目の駆動システムが正しく発達していないことを示している可能性があります。眼球振とうを持つご親戚がいる場合、またはご自身がこの病気をお持ちの場合、赤ちゃんにも発症している可能性があります。その場合は、最初の眼科検診の際に、かかりつけの小児科医や眼科医にその旨を伝えることが大切です。

涙目

赤ちゃんの目が泣いているときも喜んでいるときも常に濡れている場合、「先天性狭窄」と呼ばれる慢性または感染性の涙管閉塞にかかっている可能性があります。朝起きたばかりのときなどに顕著ですが、眼の周囲に固い、または柔らかい目やにが見られます。通常、治療は必要とされず、赤ちゃんが1歳になるまでに治ります。

赤ちゃんが緑内障にかかることはありますか?

baby-lookingめったにないことですが、緑内障を持って生まれるお子さんもいます。

緑内障を持つ赤ちゃんには、通常とは違う行動や身体的な兆候が見られます。たとえば、明るい光や日差しをしばしば嫌う、通常よりも涙の量が多い、片方の目がもう一方よりも大きいなどの症状が見られます。また、「牛眼」と呼ばれる目の膨らみが見られる場合もあります。

未熟児は目の問題を抱えるリスクが高いのでしょうか?

未熟児のお子さんの目は、そうでない赤ちゃんよりもゆっくりと発達することがあります。未熟児で生まれた赤ちゃんの場合は、眼科医にその旨を伝えてください。場合によっては、治療が必要な未熟児網膜症にかかっている可能性があります。