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ボシュロム ソフトコンタクトレンズのケアに関する意識調査

2012/09/27, 木曜日

ボシュロム ソフトコンタクトレンズのケアに関する意識調査

10人中9人は、実は正しくレンズケアができていない

ケアしている“つもり”

■ 自分では「正しくレンズケアを行っている」という意識の人は全体の90.2%
■ そのうち、レンズケアの正しい手順を全て「毎回行なっている」人はわずか10.0%20代 8.2%、30代 9.4%と、若年層ではより顕著な傾向

コンタクトレンズをはじめとする、アイケア製品の製造販売を手がける ボシュロム・ジャパン株式会社(東京都品川区 代表取締役社長 足利英幸)は、10月10日の「目の愛護デー」を前に、ソフトコンタクトレンズのユーザー500名を対象に、レンズケアに関する意識調査を実施しました。

今回の調査では、大多数は「正しくレンズケアを行っている」と自覚しているが、実際に正しくレンズケアを実践出来きている人はわずか10.0%という実態が浮き彫りになりました。

調査データによると、「正しくレンズケアを行っている」と答えた人は、ユーザー全体の90.2%と、自分では正しいケア方法を実践している、と自覚している人が非常に多いことがわかりました。ところが、そう回答した90.2%のユーザーのケア手順の実践状況を詳細に見ると、必要な手順を「毎回行なっている」人の比率は、わずか10.0%と、実は10人中9人は正しくケアができておらず、ケアしている“つもり”となっていることが明らかになりました。

また、年代別のデータによると、正しいケアを実践している人の割合は、40代では14.6%と全体(10.0%)よりもやや高かったのに対して、20代では8.2%、30代では9.4%と、若い世代ほど、実は正しいケアが実践できておらず、ケアしている“つもり”になっている傾向が顕著となりました。

「正しくレンズケアを行っている」と自覚している人の中で、84.3%が「レンズの4時間以上の消毒」については実践しているものの、「せっけんで手をよく洗う」というケアの1つ目の手順では、47.2%とほぼ2人に1人しか行っていないほか、レンズの汚れを落とすのに重要である「レンズの片面10秒以上ずつ、両面のこすり洗い」という手順でも44.6%しか行なっていないという結果になっています。


■調査概要

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■主要調査データ

非常に高いコンタクトレンズのケア意識-「正しくレンズケアを行っている」90.2% しかし、正しいコンタクトレンズのケアの7つの手順を毎回行なっているのは 上記90.2%のうち、わずか10.0%

“自身が正しくレンズケアを正しく行っているか”の質問に対しては、「正しく行っている」26.0%、「ある程度正しく行っている」64.2%と合わせて90.2%が「レンズケアを正しく行っている」と答えており、自身の“正しくレンズケアを行っている”という意識が非常に高いことがわかりました。

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ところが、実際に正しいレンズケア(後述の(1)~(7)を毎回実践)をできている人は、10.0%と10人に1人であり、高い意識とは裏腹に実は10人中9人は正しくレンズケアができておらず、ケアしている“つもり”であることが調査結果から浮き彫りになっています。

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<総括>

今回の調査結果から、ソフトコンタクトレンズのケアに関して、自分では「正しくレンズケアを行っている」という意識が高いことがうかがえます。しかしその実態は、特に20代~30代の若い世代ほど、10人中9人は正しい手順でケアができていない、ケアしている“つもり”でいることが浮き彫りになっています。 また、40代においても正しくケアできているのは7人中1人という結果となりました。 最初に「せっけんでよく手を洗う」という基本的な手順も、全体の半数以下 しか実施していないなど、ユーザー自身の意識と、実際に行っているレンズケアには、大きなギャップがあるという調査結果となりました。 また今回、日本コンタクトレンズ学会の理事であり医学博士の稲葉眼科院長 稲葉昌丸先生に今回の調査について監修とコメントをいただきました。以下は稲葉先生のコメントとなっております。


<稲葉昌丸先生のコメント> [目の健康とトラブル防止のため、正しいケアの重要性を啓発するメッセージ]

1.レンズケア調査の結果に対しての所感
自分ではケアしているつもりなのに、実はできていない人が多いようです。ケアをサボっているのではなく、ケアを正しく理解できていないからでしょう。これまで無事だったから大丈夫というものではありません。自分流や他人のまねではなく、レンズやケア用品の表示、添付文書をよく読み、定期検査時に眼科で説明してもらう必要があるということでしょう。

2.正しいレンズケア方法を実践することのメリット、重要性について
ソフトコンタクトレンズのケアでもっとも大事なのは消毒です。私達の周りには常に病原菌がいます。裸眼であればまばたきと涙で目の表面が洗い流されますが、レンズを装用しているとレンズの下の病原菌が角膜に侵入するおそれがあります。正しいケアによってレンズを清潔に保つことが大事なのです。

3.正しいケア方法をとらないことでの弊害
多いのはレンズの汚れや弱い感染による軽いトラブルですが、全国調査結果によると、2007年から2009年の間に350名がコンタクトレンズによる角膜感染症のために入院しています。その半分は治療にもかかわらず視力が0.6以下になってしまいました。角膜深くに病原菌が入ると治っても混濁が残り、眼鏡やコンタクトレンズでは矯正できないからです。視力を守るためには感染を予防することがもっとも重要なのです。

4.実際の相談例や、眼障害事例[若い世代のコンタクト使用者に対する啓発メッセージ]
3ヶ月分のレンズ1箱を5ヶ月使う、ちゃんとケアしているはずなのに1本タイプのMPSが2ヶ月以上保つ、といった例がよくあります。結果として充血や不快感を訴えて来院されることもありますが、時には角膜感染症などの重症に発展することもあります。レンズやMPSは開封時に日付を記入し、正しいペースで消費されていることを確認して下さい。正しいレンズ交換やレンズケアは目を守るために実際に必要なのです。自分の目をしっかり自分で守ってください。

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1953年大阪生まれ。稲葉眼科院長
奈良県立医科大学卒業後、大阪大学眼科学教室に入局。大阪厚生年金病院などを経て稲葉眼科を開業。日本コンタクト学会理事。医学博士。 コンタクトレンズ、角膜の専門家として講習会、セミナーなどの講演多数。

<参考資料>


■他の調査結果1

正しい7つの手順を毎回実施していない-20代、30代で顕著な傾向

<若い年代ほど、正しいケアを実施していない傾向が顕著>
「正しくレンズケアを行っている」と回答したユーザーは、男女別では、男性10.9%、女性9.4%と若干ながら男性陣がより正しくケアを行っているようです。さらに年代別にみると、20代 8.2%、30代 9.4%と、10%を割っており、40代でやっと14.6%と、10人中1.5人(7人中.1人)という結果となっております。

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<正しくケアを行っていると回答したユーザーが、実際に行っているケアは?>
では正しい7つの手順の中で、「どのケア手順が正しく行われているか」の結果を見ると、「レンズケースの洗浄液にレンズを完全に沈め、フタをしっかりと閉め4時間以上消毒」は全体の約8割(84.3%)が行っていました。しかしその他のケア手順については、2人に1人、もしくは それ以下しか実施されていないようです。

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■他の調査結果2

レンズケアを毎回行わない理由 やっぱり「面倒だから」、「時間がないから」 一方「必要な手順だと、知らなかった」「そこまで行う必要性を感じないから」という方も

レンズケアを毎回行わない理由を尋ねてみると、手順ごとに次のような理由をそれぞれ回答しています。(1)~(4)では、「面倒だから」がダントツに多くなっており、「時間がないから」の理由も目立っています。

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一方で次の(5)~(7)の手順では「面倒だから」以外の理由に、「必要な手順だとは、知らなかった から」、「そこまで行う必要性を感じないから」という回答が上位にきており、正しい知識が理解されていない一面もあるようです。

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■他の調査結果3

(コンタクトレンズ使用していて)目の不具合経験があるのは、10人中4人が経験者

目の不具合経験のあるユーザーは、全体で43.4%と10人中4人が、何らかの不具合の経験があると答えています。

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その症状の具体的な内訳は、最も多いのが「充血」(44.7%)、次いで「目がかゆくなる」(43.3%)以下「目が乾燥する」(42.9%)、「異物感が続く」(36.4%)、「目が痛くなる」(30.0%)、「目やにが出る」(26.7%)、「結膜炎」(17.5%)等の順となっています。

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