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網膜裂孔(もうまくれっこう)



網膜とは眼球の最内側にある厚さ0.2mm程度の透明な膜組織です(図6)。

眼球の水平断面図

網膜の役目は光を感じ取り、それを視覚情報に変換することです。視覚情報は視神経を通して脳に伝えられ、私たちは物が見えるのです。機能的には水晶体がカメラのレンズならば、網膜はフィルムに相当します。
眼球内部は、硝子体という無色透明なゼリー状の組織で満たされていて、網膜はその硝子体の表面と接しています。ゼリー状の組織は加齢とともにさらさらした液体に変化し、液体の中に空洞ができ(液化変性)、その容量も減っていきます。
硝子体の液化が進むと硝子体とその後方の網膜が離れてすき間ができ、これを後部硝子体剥離といいます。60歳前後に多く見られますが、後部硝子体剥離が起こる際、硝子体と網膜の癒着が強いと、あるいは網膜が弱くなっていると、収縮する硝子体に引っ張られる形で網膜が引き裂かれ、亀裂や孔ができる場合があります。これが網膜裂孔です。このメカニズムで網膜裂孔が起こるのは中高年においてですが、若い人の場合は近視の度が強い人に多く見られます。近視の度が強いと眼球の奥行きがふつうの人より長いために眼球の壁も薄くなり、網膜にも薄く変性した部位ができます。この部分が萎縮すると裂孔ができます。近視以外ではスポーツで眼球に打撲を受けると網膜裂孔を生じることがあります。
網膜裂孔の代表的な症状は飛蚊症です。目の前にひも状あるいは虫、糸くずのような浮遊物が生じ、それが眼球の動きについて回ります。もうひとつは、目の前に閃光が走る光視症です。これは硝子体が網膜を引っ張る際の刺激が、光として認識されるためです。
こうした症状が現れたら、網膜剥離に進行する可能性もありますので、専門医を受診しましょう。網膜剥離に進行する可能性が高い場合は、進行を食い止めるために裂孔周囲の組織に人工的な瘢痕をつくる治療を行います。レーザー光凝固と熱凝固・冷凍凝固という方法がとられます。

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