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水晶体脱臼・水晶体偏位(すいしょうたいだっきゅう・すいしょうたいへんい)

水晶体はチン小帯と呼ばれる細い糸で、眼球壁に固定されています(図6)。

図6:眼球の水平断面図

それが眼球打撲などによってチン小帯の一部が切れてしまうことがあります。すると水晶体の支えがなくなるので、水晶体が前房内、硝子体内に落下してしまいます。場合によっては眼球破裂の結果、結膜下もしくは結膜に脱臼することもあります。これを水晶体脱臼といいます。前房内の脱臼では瞳孔閉鎖を生じ、緑内障を併発することがあります。硝子体内の脱臼では毛様体の刺激により虹彩毛様体炎を起こすことがあります。 症状としては視力障害が現れます。治療は顕著な脱臼であれば水晶体を摘出します。完全に落下した場合は大がかりな手術となり、眼内レンズの通常の入れ方ができないので、眼球壁に縫い付ける方法で固定します。

水晶体の先天性位置異常は水晶体偏位と呼ばれます。一般的に両眼性で内上方へ偏位するケースが多く見られます。水晶体偏位はマルファン症候群、ホモシスチン尿症などでみられます。位置のずれの程度が少ない場合は無症状ですが、ずれが大きくなって強い視力障害を生じる場合は水晶体を摘出します。