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白内障(はくないしょう)

目はカメラに例えられますが、レンズに相当する水晶体が濁ってしまうのが白内障(白そこひ)です(図6)。

図6:眼球の水平断面図

カメラのレンズが汚れたまま写真を撮るとかすんだ写真ができます。そのようにかすんで見えるのが白内障の症状です。水晶体は構成成分の蛋白質、水、ミネラルのうち、蛋白質分子がいろいろな原因で大きくなると、水に溶けにくくなって白濁します。また、蛋白質の中のアミノ酸が光によって分解され、黄褐色になるとこれも濁りの原因になります。

白内障が起きる原因として最も多いのが加齢で、加齢白内障と呼ばれます。そのほかには、アトピー性皮膚炎、糖尿病、遺伝、放射線、薬の副作用などが原因と考えられています。また、母親の胎内にいるときに何らかの原因(風疹ウイルス感染、代謝疾患)で白内障が起こることがあります。これは先天白内障です。さらに、眼球に強い外傷を受けた際に起こる外傷性白内障と呼ばれるものもあります。 白内障の症状は、物がかすんで見える(霧視)、まぶしい(羞明)、明るいところでの視力低下(昼盲)、物が二重に見える(複視)、屈折変化(近視化、乱視化)などがあります。霧視は混濁したすりガラス状の水晶体を通して見るからであり、羞明は混濁により眼内に入った光が散乱するためです。複視は斜視と違って片目だけに起こり、混濁によって光が異常な屈折を起こして網膜上に複数の像を結ぶためです。 検査は水晶体全体が見えるよう、瞳を開く目薬をさして行う散瞳検査で、濁りの程度を調べ、視力を測ってから治療(手術)の時期を相談します。濁りの程度が軽いのに視力が出ないときは白内障以外の病気がないかも調べます。その際、眼底検査はとくに有効です。白内障がかなり進んだ過熟白内障では眼底が透視できないので、超音波検査、網膜電図検査などで眼底の状態を予測します。

治療は手術が最も確実です。白内障の手術では水晶体を包んでいる薄い膜(水晶体嚢)を残して、水晶体をまず取り出します。次に水晶体嚢の中に眼内レンズを挿入します。レンズは折りたたんで入れて眼内で開くフォールダブルレンズが主流で、折りたたんで入れるため手術の傷口は小さくてすみます。材質はアクリルなどです。手術は日帰りでできるようになりましたが、高齢者や住まいが遠く通院不可能な人、あるいは重篤な全身疾患がある人は入院手術がよいでしょう。

手術後は定期的に病院で診察を受けましょう。術後1週間目、その後2週間~1か月目、その後1か月目、さらにその後1か月目は手術した医療機関で治療を受けるのが一般的です。術後3か月間は目を圧迫したりこすったりしないよう、とくに注意する必要があります。眠っているときに無意識に目をこすってしまうこともあるので、術後1か月間は金属の眼帯を目に貼り付けて就寝するほうが安全です。また、眼内感染する場合も考えて術後2~3か月間は抗菌薬を点眼します。