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ベーチェット病は皮膚、粘膜、ぶどう膜を侵す炎症性疾患で、青壮年期における失明の原因疾患です。原因については自己免疫あるいは何らかの病原微生物の感染が疑われていますが、はっきりしたことはわかっていません。遺伝的素因が関与しているとされており、白血球の血液型ともいうべき組織適合抗原(HLA)の中のB51との相関が確認されています。

目の症状は90%が両目に現れ、前眼部の炎症として目の中に膿がたまる前房蓄膿を伴う、発作性の虹彩毛様体炎が特徴的です。この場合、目の充血、痛み、視野のかすみを伴い、後部ぶどう膜炎を起こしているときは眼底出血、白斑、血管炎を主体とした炎症が現れます。 一般に目の症状より先に、体各部に特有な症状をみます。たとえば直径数ミリの円形白色の潰瘍が口腔内にいくつもでき、再発を繰り返します。また、赤もしくは暗褐色の隆起性の皮疹(発疹)が膝から下に現れます。さらに傷口が化膿しやすくなり、ときに陰部に潰瘍も見られます。

検査ではこの病気の4主症状である口腔の再発性アフタ、皮膚症状、ぶどう膜炎、外陰部潰瘍の有無をチェックします。特定の組織適合抗原(B51)が陽性になることが多く、診断の参考にします。炎症発作は寒冷前線の通過など、気圧の変化に誘発されることが多く、秋から冬にかけて増加します。 前部ぶどう膜炎の炎症発作には、ステロイド薬の局所投与と散瞳薬の点眼を行います。後部ぶどう膜炎の発作を繰り返すときは、コルヒチンや免疫抑制薬を用います。ただし、免疫抑制薬は腎障害や神経症状などの副作用が多いので、血中の薬物濃度を測りながら慎重に投与します。失明率の高い疾患であり、早めに検査、治療を受けることが大切です。