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鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)

目を潤し、またさまざまな病原から目を保護するために、目には涙液が流れています。涙液は涙腺と副涙腺で分泌されて上涙点と下涙点から吸い込まれ、細い管(上涙小管・下涙小管。2つが合流して総涙小管)を通って涙嚢に達し、鼻涙管を通過して鼻腔へと流れ込みます(図2)。この経路が閉塞してしまうと、常に涙が出て止まらなくなります。これが鼻涙管閉塞です。

図2:涙器の構造と涙液の流れ

生まれたときは鼻涙管はまだ開通していないことが多く、そのほとんどはハスナー弁付近で閉塞しています。通常は成長するにつれて開通するものですが、なかにはそのままの状態をとどめてしまう場合があります。これを先天鼻涙管閉塞といいます。鼻涙管の形成異常が原因で、出生直後から常に流涙と眼脂(目やに)が起こります。

後天性のものには大きく分けて2つのタイプがあります。鼻の病気(鼻炎、蓄膿症、ポリープなど)が原因で鼻涙管閉塞を起こすもの。もう一つは目の病気(結膜炎などの炎症が波及する)が原因で鼻涙管閉塞を起こす場合です。また後天鼻涙管閉塞は、慢性涙嚢炎の主要な原因ともなります。 検査は、涙点に生理食塩水などを流し込み、それが鼻やのどの奥まで流れてくるかどうかを調べます。閉塞があると液が逆流します。治療としては涙管ブジーを行います。先天性の場合はブジーを涙点から鼻涙管に刺し込み、閉塞部を突き破ります。後天性のケースでは先天性の場合同様涙管ブジーを施しますが、これだけではほとんどの場合再び閉塞するため、涙嚢鼻腔吻合術(DCR)やシリコンチューブ留置術が必要となります。DCRは後天鼻涙管閉塞の根治術で、鼻涙管の閉塞部はそのままにして涙嚢と鼻腔とを直接つなぎます。そのため鼻骨を削って開窓(穴をあける)する必要があります。