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角膜実質炎(かくまくじっしつえん)

角膜周辺部の実質深層に小さい限局した浸潤(液体がしみこんで広がること)が生じ、その数が増加するにつれて徐々に実質は濁っていきます。角膜実質炎の典型的な原因は先天梅毒によるもので5~20歳に発症し、虹彩毛様体炎を伴います。その後角膜に多くの血管が入り込んできますが、濁りは少しずつ減少し、最終的には軽い濁りを残して病気は治ります。発病の時期にずれはあるものの両目に起こり、軽度~中等度の視力障害が残ります。角膜実質炎は今日ではほとんど見られなくなった角膜疾患の一つです。

角膜実質炎のもう一つの原因は、結核です。この場合は片目に起こることが多く、虹彩毛様体炎とともに角膜の濁りが限局的に見られます。濁りができるのは瞳孔の近くで、しかも炎症消失後も強く残るので、視力はかなり落ちます。 症状としては羞明、疼痛、流涙、徐々に進行する視力低下が一般的です。検査・診断では何に起因するものなのかを調べます。先天梅毒によるものならば、梅毒反応検査が陽性になります。角膜実質炎のほかにハッチンソン歯牙と難聴があれば、ほぼ確実に原因は先天梅毒です。結核が疑われれば、その検査をしたうえで角膜実質炎との関連を調べます。治療では基礎疾患をまず治します。同時にステロイド薬の点眼も行います。