文字サイズ変更 A - A+

近いところはよく見えるのに、遠くが見えにくい状態を近視といいます。遠くの物体が網膜よりも前に像を結んでしまうため、ぼんやり見えるのです。近くの物には焦点を合わせて見ることができます(図10)。近視は近くを見るのに適した目とも言えます。

図10:近視眼

近視には、単純近視と病的近視とがあります。 単純近視は近くで物を見すぎる(テレビやゲーム、本、パソコン画面など)、暗い所で目を酷使するなどが誘因と考えられていましたが、はっきりしたことはわかっていません。体質や遺伝的要素が関連します。 眼鏡やコンタクトレンズを使って屈折力を正しくすることで、視力の矯正を図ります(図11)。

図11:近視の矯正

手術による矯正も行われています。エキシマレーザーを使った角膜屈折矯正手術で、一般的にレーシックと呼ばれています。これは角膜をレーザーで削り、網膜上に像が結ぶように屈折力を変える方法で、精密で高度な技術が要求される手術です。日本眼科学会では、手術は年齢や他の疾患の有無など、一定条件のもとで適応としています。

病的近視は強度の近視で、網膜や脈絡膜に萎縮が起こっています。合った度の眼鏡やコンタクトレンズでも矯正できません。また網膜剥離を招くケースもあります。 学童に見られる近視は古くは偽近視と呼ばれていました。物を見ているとき、毛様体は緊張しています。長時間この状態が続くと、作業を終えたあとにも緊張が残ってしまい、近視と同じような状態が続くと考えられていました。偽近視は毛様体の緊張を緩める点眼薬を使うと一時的に改善されるようにみえますが、薬の効果がなくなるとすぐ元に戻ってしまいます。