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うっ血乳頭(うっけつにゅうとう)

頭蓋内圧亢進に伴う視神経乳頭の腫脹(腫れ)のことをいいます。頭蓋内圧亢進の原因の4分の3は脳腫瘍によるもので、このほかには脳水腫、脳膿瘍、脳炎、脳膜炎、頭蓋内出血などで起こります。脳腫瘍では頭痛、悪心(むかつき)、嘔吐などがしばしば見られますが、うっ血乳頭そのものによる眼科的自覚症状はほとんどありません。ただそれが長時間持続して視神経線維が萎縮してしまうと、回復不能な視力低下、視野狭窄をきたします。

視神経の乳頭浮腫はほとんど両眼性です。視神経の乳頭浮腫は頭蓋内圧亢進の兆候なので、それが見つかった時点でさらなる検査と処置を行う必要があります。具体的にはCTやMRIでの画像診断です。結果次第では脳外科、神経内科、耳鼻科などでの治療が必要な場合も出てきます。欧米などでは体重100kgを超えるような肥満の女性に多く見られるのが、偽性脳腫瘍です。これは各種の脳神経検査では異常は見られないにもかかわらず、乳頭浮腫のみが持続するタイプです。長期間放っておくと視機能低下をきたすので注意する必要があります。食事や生活環境が急速に欧米化している日本でも、このような症例が今後増えることも予想されます。

いずれにせよ、脳腫瘍を起こした人はもちろん、そうでない人も定期的にうっ血乳頭の有無を眼科で検査してもらうことが大切です。検査では蛍光眼底造影が行われます。