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視神経症《炎》(ししんけいしょう《えん》)

視神経症とは、視神経の炎症はもちろん、脱髄(神経を取り囲む髄鞘に対する炎症により髄鞘が傷害される病気)病変、血管病変等も含んだ視機能障害のことをいいます。原因ははっきりわかっていませんが、髄鞘の構成蛋白に対する自己免疫の関与、あるいはウイルス感染ではないかと考えられています。

起こるのは片目が多く、症状としては視力低下、目を動かすと目の奥が痛むのが特徴です。眼底検査をすると急性期には視神経乳頭の腫れが認められることが多いものの、眼球より後方の視神経に炎症が限局されているときは、眼底にはまったく異常が見られません。片目だけに起こる場合は、瞳孔の対光反応に左右差があることが特徴的で、診断上重要なカギとなります。眼窩部や頭部のMRI検査は、眼球後方の視神経の様子を見るのに有効です。

治療に用いられる副腎皮質ステロイドは視力予後にはさほど効果はないとされていますが、両眼性や高度な視力低下がある、あるいは多発性硬化症への移行が疑われる症例では有用です。神経保護目的でビタミンB12製剤の内服も行われます。急激な視力低下や眼球を動かしたときに目の奥が痛むようなときは、早めに専門医に診てもらいましょう。約19%が再発し、30%近くが両眼性に移行するとの報告もありますので、視力が回復しても定期的な経過観察を忘れてはいけません。