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網膜色素変性(もうまくしきそへんせい)

網膜色素変性には小さい頃から夜盲が起こり、徐々に進行して視野狭窄や視力低下をきたすものと、30歳以上になって夜盲や視野狭窄がゆっくり現れるものがあります。両目に起こります。 網膜色素変性は、遺伝的な疾患で、原因はまだ究明されていません。3,000~8,000人に1人の頻度で現れます。網膜には視細胞があり、視細胞には杆体細胞と錐体細胞があります。網膜色素変性では、このうちの暗い所で物を見る働きを担う杆体細胞の機能がまず失われ、そののち錐体細胞が障害されてきます。杆体細胞がまず障害されるので杆体細胞が多い視野20-30度の部分がまず見えなくなり、これを輪状暗点と言い、この病気の初期の特徴です。夜盲、視野狭窄、視力低下が主な症状で、まず夜盲が現れます。進行はきわめてゆっくりで、発症年齢もまちまちです。小さい頃に発症して40代くらいで視力を失うケースや、80歳になっても視力を保っているケースなど、進行には個人差があります。次第に周辺視野が欠け、ものにぶつかったり、目の前にあるものが見えないなどの症状が現れます。さらに進行すると、視力低下が起こってきます。

診断は眼底検査や視野検査、蛍光眼底検査、網膜電図などで確定させます。残念ながら根本治療は現在のところありません。症状の緩和や進行を抑えるために、暗順応改善薬やビタミンA、循環改善薬などが投与されますが、効果は証明されていません。ロービジョンケアでは残っている視細胞の機能を最大限に活用して、社会生活に支障が少ないような工夫を行います。また光によって視細胞が傷むことも多いので、昼間外出するときはサングラスをかけるようにします。また、白内障緑内障を併発しやすいので経過観察が必要です。
厚生労働省の医療費助成制度の唯一の適応疾患なので、認定されれば医療費の補助が受けられます。患者の会や家族会もあります。将来、再生医療が最も期待される病気です。