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未熟児網膜症(みじゅくじもうまくしょう)

網膜血管の未発達のために起こる網膜血管病変で、34週未満で産まれ、出生体重が1,800g未満の低出生体重児に起こりやすく、生後3~6週頃に発症します。

網膜の血管は、ふつう胎内での発達期に視神経から眼底周辺部へと伸びていき、出生時にはほぼ眼底周辺部に達します。ところが未熟児で生まれた場合は網膜血管が眼底周辺部まで達しておらず、そこにさまざまな条件が加わると正常な発達が妨げられて網膜症が発症します。

無血管帯(網膜血管が達していない部分)との境目に血管の異常増殖が起こっても、ふつうは自然に解消して再び血管は眼底周辺部へと伸びていきます。しかし、ときとしてそれが線維血管増殖へと発展し、それが収縮すると網膜(とくに黄斑部)が引っ張られ、網膜剥離を引き起こして重症化します。失明に至ることもあります。一般的には線維血管増殖が起こるまでを活動期、それが収縮したあとを瘢痕期と呼んでいます。

未熟児で生まれた場合、眼底検査は定期的に行います。無血管帯の広さ、怒張(ふくれる)などをチェックし、活動期には眼底検査の回数を増やし、治療のタイミングを計ります。活動期の治療では網膜光凝固術を行います。これは患部にレーザー光線を当て、網膜の蛋白質を凝固させることで病気の広がりを止める治療法です。また、液体窒素で眼球の外側からマイナス60~70度の低温を加える、冷凍凝固法という治療法が行われることもあります。瘢痕期の網膜剥離に対しては硝子体手術がなされますが、結果はあまり芳しくありません。